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web拍手に乗せていた小話を変更したので、こちらに再録しておく。
怖い、というよりも、少々不思議な話。
パンチは弱いが、これはこれで好きな話だ。


拍手小話04『私にしか聞こえない』

帰省した折に思い出した話なのだが、
以前こんなことがあった。

私の家は小学生の頃建て替えられ、
二階建ての一見和風、入れば洋間もあるという、
所謂田舎の家の造りをしている。
一階が居間、キッチン、バスルーム、仏間兼和室、祖母の部屋。
二階が両親と、私、弟の部屋である。
うち、両親の部屋は一枚の壁を階段の真横にある間取りで、
半ば階段に張り出すような形だった。

私が中学生の頃だったと思う。
ある夜、階段を下りていると、突然、真横の壁から、
ドォン!!!と大きな打音が響いた。
驚いた私は、二階へと引き返し、部屋にいた母に尋ねた。

「…今、階段側の壁叩いたりしやへんだ?」
「?なんもしてへんよ?」

母はそれどころか、何の音も聴いていないような素振りで、
何事もなかったかのようにテレビを見ていた。
首を傾げながらも私は階段を下りたのだが…

その話を思い出し、何の気なしに階段を確認して私はぎょっとした。
私がその音を聴いた場所は、てっきり両親の部屋の横だと思っていた。
しかしよく見てみれば、両親の部屋のある場所は通過しており、
壁の向こう側には廊下の天井しか存在していなかったのだ。
ではあの音は一体、何が原因だったのだろうか。
庵守ちゃん曰く、

「音は通り抜ける時にも鳴るものだけど、
あちらからこちらに、意思を持ってぶつかったのなら、怖いね」

あの時の音は、私に何を言いたかったのだろうか。


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拍手小話05『光源』

某SNSのコミュニティにもちらっと書いた話なのだが。
去年の秋のことだ。

私はよく、『いつの間にか意識を失うように寝てしまう』ことが多い。
所謂『寝落ち』というやつだ。
その日もパソコンを弄っていたらいつの間にか眠ってしまったらしく、
そういう時は大抵深夜に一度目が覚める。
例に漏れず、真夜中(確か三時前後だったと思うのだが)に目が覚めた私は、
寝ぼけながらソファ兼ベッドから抜け出し、
つけっぱなしになっていた部屋の電気を消した。
その時だった。

私の部屋は単身者向けのワンルームで、
6畳ほどの部屋と、廊下兼キッチン、ユニットバス、玄関で構成されている。
その廊下と部屋を隔てるドアには、
すりガラスがはめ込まれているのだが、
そのガラス部分に、まあるく、光が浮かんでいるように見えたのだ。
ぼーっとした頭で、

「ああ、外の照明が覗き窓から入ってきてるんだわ…」

と、ベッドにもぐりこんですぐに寝てしまったのだが、
翌日、思い返してみておかしなことに気がついた。
そもそも、外の照明というのは、覗き窓に対して上から当っているもので、
どんなに強い照明であったとしても、それが覗き窓を通して、
室内のドアに映る、ということは有り得ないのである。
実際、夜になってから部屋の電気を全て消してみたが、
同じような現象は起こらなかった。

しかし、いくら寝ぼけていたとはいえ、はっきりと、
『すりガラスに映る丸い光』を私は見ているのである。
それ以降同じ現象には出合っていないのだが、
実に不可解な現象だった。

もう1つの可能性として、
『その時誰かが私の部屋の覗き窓に、強い光を当てていた』
というのもあるのだけれど、
それはそれで、むしろ非常に怖いような気がする。


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拍手小話06『リーン』

庵守ちゃんと一緒にいると、鈴のような音を聴くことがある。
鈴、と言っていいのかわからないのだが、
高く、澄んだ『リーン』という音だ。
微かな音なので、静かな時間帯…
大抵夜なのだが…にならないと聞こえないのだが、
それでも一人でいる時は聴こえない音なので、
何なのだろうと思っていた。
聞こえる場所はいろいろなのだが、彼の部屋が多い。
別に怖い、という感情は湧いてこないのだが。

ある時ふと、彼にそのことを話したことがある。
彼は黙って私の話を聞いた後、うんうん、と頷いて、

「それぁ、多分、僕の母上だよ」

詳しい話は知らないのだが、
彼の母親が既に他界していることは知っていたため、
その言葉に私は驚き、慌てふためいた。
ひょっとして色々とチェックされたり心配されているのだろうか。
以来、その音を聞くと、私は反射的に頭を下げてしまうのだ。

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2007.05.17 / 拍手再録 /
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